サーバー(server)とは、サービス(service)を提供する者という意味です。ホームページを公開するスペースのことをサーバー(ホームページサーバー)といい、スペースを借りるのでレンタルサーバーとも呼びます。
ホームページスペースとレンタルサーバーの違い
ホームページスペースとは
インターネットに接続するためには、ISP(インターネットサービスプロバイダー)との契約が必要ですが、老舗である程度の規模のプロバイダーでは、回線の契約をすることでホームページを公開できるスペースを提供してくれます。
このスペースのことを、一般的に「ホームページスペース」と呼びます。
これは、回線を契約することに対するサービスとして提供されており、インターネットの黎明期から主に趣味で Webサイト作成を行う人たちにサイト公開の場になっていました。
このサービスは基本的に無料で、またプロバイダーとの契約をするだけですぐに利用できることも多いため、サイト作成に興味を持った人が最初に利用するには手軽で便利なサービスでした。
その後、2005年あたりからより高度な機能や容量を望む人が増えた影響か、無料のサービス以外に有料のサービスを提供する会社も増えてきました。
現在は時代の流れか、プロバイダーのホームページスペースを使用する人が減ってきたのか、無料のホームページスペースのサービスは下火に見えます。実際に@niftyなどでは、ホームページスペースサービスの新規募集終了をしました。
また、有料のホームページスペースに関しても、近年はあまりアップデートはされておらず、プロバイダー全体の傾向としては、主に法人向けにクラウドサービスを提供する方向に力を入れているように見えます。
ホームページスペースとレンタルサーバーの違い
では、具体的にホームページスペースとレンタルサーバーの違いを見ていきましょう。
以下は、主に@nifty、So-net、Biglobe、Yahoo!などの老舗プロバイダーのサービスを参考にしてポイントをピックアップしています。プロバイダー毎に機能や規定などの細かい点は異なりますが、おおむね以下のような違いがあります。
無料のホームページスペースの特徴
<メリット>
・無料で利用できる
・プロバイダーとの契約をするだけでアカウントが発行され、すぐに使える
・アクセスカウンターなど一部の自作CGIが使える
・ページ数の少ないHTMLサイト向け
<デメリット>
・ディスク容量が非常に少ない(10MB~100MB程度)
・ディスク増量は可能だが、有料で非常に高価
・データベースは使えない(WordPress等利用不可)など、機能が限定的
・バックアップサービスなどもない
・独自ドメインは有料で、非常に高価(月額で課金されるケースもあり)
・プロバイダーを変更すると使えなくなる(独自ドメインでなければURLも引き継げない)
・定期的に日中に長時間のメンテナンスが行われる傾向がある
・プロバイダーの判断でサービスが終了する可能性がある
・商用利用が一部制限されていることがある
有料のホームページスペースの特徴
<メリット>
・無料のホームページスペースに比べて高機能
・WordPressなども設置可能なものもある
・プロバイダーの料金とまとめて支払える
・ある程度の規模までのHTMLサイトやWordPressブログなど向き
<デメリット>
・有料
・機能は無料のサービスに比較して高機能だが、レンタルサーバーと比べると限定的
・詳細なスペックなどは公開していないところが多い
・ディスク容量はレンタルサーバーと比べるとまだかなり少ない
・料金はレンタルサーバーと比べるとかなり割高
・独自ドメインは有料で、非常に高価(月額で課金されるケースもあり)
・マルチドメイン(複数の独自ドメイン)は利用できない
・無料のホームページスペース程ではないが、プロバイダーの判断でサービスが終了する可能性がある
レンタルサーバーの特徴
<メリット>
・安価なレンタルサーバーでもディスク容量が大きい
・高機能で柔軟な運営が可能
・マルチドメインの利用可能
・セキュリティが高く、バックアップサービスなどもある
<デメリット>
・有料
・プロバイダ以外に契約が必要
ホームページスペースを借りるメリットは非常に少ない
以上の内容を簡単にまとめると、以下のようになります。
・無料のホームページスペースは、無料だがディスク容量が非常に小さく、機能面でかなり劣る
・有料のホームページスペースは無料のスペースと比べると高機能だが、レンタルサーバーと比較すると機能は限定的で、コストパフォーマンスが非常に悪い
こうして比べてみると、無料のホームページスペースは手軽さと価格面でメリットはありますが、有料のホームページスペースはレンタルサーバーと比べてメリットが少ないことがわかります。
また、近年は従来のHTMLサイトよりもブログのほうが手軽に始められることなどもあり、ホームページスペースの利用者自体が減ってきている傾向があるように思います。そのため、今後のディスク増量や各種機能のスペックアップは期待できません。
また、有料で提供しているホームページスペースもサービスの質がレンタルサーバーと比べると見劣りします。
有料サービスについては、特に価格面でコストパフォーマンスがかなり見劣りしますので、正直今からプロバイダーのホームページスペースサービスを利用するメリットは非常に少ないといえます。
どうしてもレンタルサーバーの費用を捻出しにくくても、ホームページスペースを利用するよりは、安定性や表示速度などには目をつぶってでも、激安のレンタルサーバーを借りることをおすすめします。